2013年11月29日金曜日

第23話 直前に声が上ずって音痴になった



この草薮というか、サトウキビ畑に向かってみんな練習していた


さあ、いよいよ自分の番、という話しの予定であったが、その前に書き加える事があったので、この記事を書いている。

 本番の2時間前くらいから、皆、練習しだしたので、私も練習した。

 このような時にはもの凄く気合いが入るので、ついつい沢山唄って声を潰してしまう事もあるので、私は、一回唄ったら、10 - 15分休んだ。




登山道のところでも練習して声がシャープしているのを調整した


 それはそれで良いのだが、唄っていると、どうも随分声が上ずっている事に気がついた。後半になると三線の音と声の音程がかなり違う。以前から、声が上ずるという癖があることが先生から指摘されていたが、自分ではあまり自覚出来なかった。

 しかし、この本番直前ではハッキリ自覚出来る。

 これは、かなり声が上ずっているのか、それとも、この土壇場で自覚出来る程、技量が上がったのか、どちらかであろう。まあ、後者だと思いたい。

 しかし、これは何とかしないと。

 私は最後の一小節だけ音程に気をつけてゆっくりと唄ってみた。

 それを何度もやってみた。すると音程が合って来た。

 通しで唄ってもまともに唄える。

 ひとまず良かった、という話しである。

 この土壇場のバタバタしている時に、落ち着いて対処できたことに、自分なりに自信を深めることができた。これだけでも大きな収穫ではないだろうか。


男性控え室のテント。男女関係なく入って来たが。さすがにここで着替える女性はいなかったが。



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八重山古典民謡の調べ・・・八重山古典民謡コンクール最優秀賞を目指して


橋本英樹 記               



2013年11月27日水曜日

第22話 小浜節大会 始まる




いよいよ、小浜節大会だ。今回は第10回大会。

 3時頃から続々と出場者が集まりだした。そしてめいめい練習をし始めた。

 次第に周りの雰囲気が緊迫してくる。


 大会開始は5時からとなる。予定では4時半からだったが、30分くらい遅らせたようだ。今から1時間くらい間があるのか。




事務局 このように番号札が配られるのである




 大会の事務局を兼ねる机が一卓置かれて、そこで、歌の調子は何か。お囃子は、と聞かれる。

 私の歌の調子はB。お囃子がなくても良いとのことだが、無いと格好がつかないかな。いや、あった方が良い。

 顔見知りだし、昨年の優勝者の萌さんがいたら、萌さんに頼みたいと思っていたが、見当たらない。いや、会場には来ていると事務局の人が言っていたが、着物等を着ていましたか、と訊ねると、私服でマスクをしていた、と言うのである。大会の最後に去年の優勝者が唄うのかな、と思っていたが、今年はそのような催し物がないのかもしれないと思った。

 仕方が無い。そばにいる女性に頼むとその女性は司会の女性であった。


 事務局に14番の方が受付をしていたので、そこで14番に唄う女性にお願いした。有り難い事に快く引き受けて下さった。


 瀬野田さんという方。安室流の教師免許 最高賞を取っている人。私よりずっと格上ではないか。光栄だ。

 着替えて練習。

 今日は何度か練習したが、いよいよ練習にも力が入ってくる。周りの人たちの集中力がすごい。緊迫度が増して来た。

 お囃子を引き受けてくれた人が、一回合わせましょう、と言ってくださったので、一度合わせて戴いた。比較的無難に唄えた。お心遣いに感謝である。


 着替えもした。帯が上手く行かない。家で練習したら出来る様になったが、会場では上手く行かないものだ。先のアナウンサーの人に帯を見てもらったら丁寧に直してくれた。感謝である。


 驚いた事に、宮良康正先生のお囃子をやっていた人も出ると言う。


 私は下の前で、最後がトバラーマ大会のチャンピョンの前花さん。35歳くらいの人。奥さんがお囃子だ。5歳くらいの小さな子供がいる。人生がこんなところにある。


 トップは、なんとあの宮良先生のお弟子さん。


 目立つのは、ちょっと変わった小浜節がある。島の小浜節、というか。半分くらいがそのような小浜節。初めて聴く小浜節である。大岳の登山道の入り口に唄碑があるが、そこに書いてある歌詞がこれである。「だんじゅ・・」で始まる。メロディーは殆ど同じであるが、異なった箇所があり、また、お囃子のメロディーも違う。まったく違う曲に聞こえる。



この歌碑の歌詞で唄う人が多かった。半分以上の人がこの歌詞で唄っていたように思う



 私の番までまだまだあるので、何回か練習した。

 風は強いが夕暮れが迫る。風が強い。皆、めいめい、サトウキビ畑に向かって唄っている。マイクに乗って、本番で唄っている人の声も聴こえて来る。独特の雰囲気がある。

 練習していると、西垣門下の人が自転車に乗ってやってきた。八重山古典民謡コンクールの発表会には出ないが、発表会を見に来たのだ。これから、石垣に帰ると言う。本当はこちらも見たいなあ、と言っていた。彼女と話をしてちょっと安心した。何しろ単身で来ているので。


 どんどん進む。かなりの実力者ぞろい。しかし、私も含めて大方の人が、同じ様な悩みを抱えているようだ。


 風が強い。テントもバサバサと吹っ飛ばされんほどに揺れている。

 15番が唄っている。16番の人が、慌ただしく調弦している。

 小生も調弦。

 そんなことをしていると、私の番に。





【小浜島】ちゅらさん祭りと天の子守唄~☆~夏の八重山諸島・7つの島を巡る旅★8
第7回大会の様子





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八重山古典民謡の調べ・・・八重山古典民謡コンクール最優秀賞を目指して


橋本英樹 記